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河原の少年
Iさん 50代 男性 既婚
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Iさんは50代も半ば、仕事も順調な男盛り、家庭のトラブルなどはあっても些細なことで、
それは生活していれば良くある普通の問題。
だから初めに「どんな問題があるのですか?」と伺っても
御自身「良く分からない・・・」としか答えていただけませんでした。
「ではセラピーを受けようと思ったのは何故ですか?」 と聞くと 「分からない・・・ けど何となく・・・」
「ただ、HPを見て何か気になって・・・ 何となく
いや、でもどうしても行きたくなって・・・」と言う事でした。
そのため、セラピーやボディーワークがどんなものか詳しい説明をして 「どう思います?」と聞くと
「内容は解ったけど、何が自分に向いているのか分からない・・・」
セラピスト側が勝手に決める訳にも行かないので
「では、今座ったままでいたいですか? それとも横になりたいですか?」 と聞くと
「横になりたい、疲れてる・・・」と言うのでボディーワークで体に聞くことにしました。
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Iさんは姿勢も良く、広くて大きな背中、太くしっかりした手足、
身体のバランスも特に気になるところも無く、筋肉のコリや緊張も特にアンバランスなところは無く、
「ただ普通に体の疲れをケアしたい。それでいいのかな〜」 ・・・と思い
、余計なことを考えず、柔らかくほぐしてゆく事にしました。
アロマテラピーのオイルマッサージを説明すると「ああ、それは気持ち良さそうですね〜」
というのでリラックス系のエッセンシャルオイルを数種類ブレンドして
背中 ・手 ・足、とゆっくりほぐしてゆくと、初めは何の反応も無かったIさんの呼吸が
深くゆったりした呼吸になってゆき、徐々に「ハア〜〜」という溜息の様な吐息に変わってゆきました。
・・・とりあえず彼の中で良い感じの事が起こってるんだな〜 ・・・とその“良い感じ”に任せて
一つ一つの筋肉をただゆっくり休息させる様にほぐしてゆきました。
うつ伏せで全身を1時間・・・ 「ハ〜〜」が、「ハァァァ〜・・・」になって、
やがて眠る様な静かな呼吸へと落ち着いてゆき、仰向けになって肩と首をほぐしてゆくと
顎や喉の筋肉も徐々に緩んでゆき、吐息も細い気管を息が通る「ハァァ〜」から、
風が抵抗も無く抜けてゆく様な「ハァァ〜」へと変わってゆきました・・・。
・・・特にこれといった問題が有るわけじゃ無い・・・
・・・「何が悪いのか?」って考えてどこかを掘り起こしたら何かはあるだろう・・・
・・・それが私たち人間って生き物・・・
・・・そんな事より、今はこの心地よさの方がずっと大切なんだね・・・・
そんなことを想いながらIさんの顎や首筋を緩め、眉間・・・ 額・・・
最後に頭蓋骨を静かに緩めてゆくと全身を弛緩させ、静かな眠りに落ちてゆきました・・・・
5分・・・ 15分・・・ ? 何分経ったのか、Iさんの意識がゆっくり戻ってきて、
力の抜けた顔でゆっくり静かに話始めました。
Iさん「寝てました?」
私「ええ・・・ 多分・・・」
「・・・ 何か・・・ 今のこの感じ・・・ いいな〜〜 」
「何だか懐かしい様な・・・」
「懐かしい・・・?」
「・・・懐かしい・・・ そう・・・懐かしい・・・」
「そう! この感じ! もうず〜っと前・・・ 子供の頃・・・」
「幾つぐらい?」
「3年・・・ 4年生・・・ ? 小学校・・・4年生ごろ・・・だったか・・・」
「そう・・・ あの頃・・・ ああ、あそこだ・・・!」
Iさんはもう一度目を閉じ、しばらく何かを “見て” いました。
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時間が来たので起きてもらい、ソファーに座っても
しばらくは内面の何かを見ている様子でしたが、
それから、ふと話し始めました。
「子供の頃、川の近くに住んでいて、いつもその土手で遊んでたんです。
まだ水が綺麗だったから泳いだり、友達と色んなことをして遊んで・・・
あれは・・・ 秋だったのかな〜?土手の斜面が一面枯れ草に覆われていて、
友達とそこを滑って遊んで・・・ 遊び疲れたんだったか?
土手の斜面の枯れ草に寝っころがって・・・
・・・さっき・・・その時の感じを思い出していた・・・
いや・・・体が思い出していたって感じで、感覚が先に有って、
そのときの状況って言うか、感じがすごくリアルに蘇って来て・・・
ガキの頃はただ夢中で遊んでいただけなんだけど、こうして思い出してみると・・・
何ていうか・・・ そう・・・
自由・・・ 自由だったな〜 何にも考えないで夢中で・・・
なつかしいって言うか・・・ さっきもう一回同じことしたな〜
・・・・・・・・・・・・
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今、子供も大きくなって、女房も良くやってくれているけど、
50才を越えてから最近何かが足りないって感じていたんです。
でも仕事じゃないし、家庭でもない。
それが何なんだか良く分からないし、ハッキリと感じた訳じゃないんだけど・・・
言いようの無い焦りの様な・・・ 不安の様な・・・
でも怖いっていう感じじゃなくって、 先の見えない様な・・・
多分、『何のために生きてる?』っていう事だと思うんですけど、
漠然と“乾いていく” 様な感じだったんです。
でも、今・・・何となく解る・・・
仕事のために、女房のために、子供のためにって頑張って頑張って来たけど・・・
あの感覚、ただ遊んでる。あの自由さを忘れてた・・・
ずっと目的を探していたし、何とかして納得して生きる理由を探してた・・・
でも、○○○のため!って目的意識ばっかりで、あんな充実感みたいなのを忘れてた・・・!
だからカラカラに乾燥していたんだ!
・・・うん!そうゆう事だったんだ!
でも、僕は自由だったんだ〜
今はそう思える。
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・・・Iさんは私から見ても “優しくていい御主人、そしていい父親” と感じさせる方。
でもいつの間にか自分自身の充実感? 満足?
そんなものを忘れて来てしまったのでしょう・・・
・・・でもそのままだと自分を無くしてしまう。
それじゃ全てがうそに成っちゃう。
だから潜在意識は、必要な時に、必要な事に気付く様に出来ている・・・
・・・これも自己治癒力の一種なんでしょう。
心の治癒力・・・ 魂の知恵・・・?
☆★ 良く「セラピー何て嫌なんだけども。」とか「何でなのか・・・? 何となく・・・」と、
意識は抵抗してるのにどうしようも無くセラピーに来る方がいらっしゃいます。
でもそういった方の多くは、こんな気付き方をしたり、思いがけない何かを見付けてゆく、
でもそれで思いがけない事に気付く・・・? 思い出す?
だからこそ本人が忘れていた、でも今だからこそ大切な事に気付く・・・
そんな事ってとても多いんです。
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